電話が苦手でも、避けにくい仕事としてこなしていた

以前、電話業務にはどんな難しさがありましたか?

私は事務の仕事を長く経験してきましたが、電話にはかなり強い苦手意識がありました。事務の仕事を続けるうえで、なかなか外せない業務です。こなしたいと思っていても、電話があると気持ちが重くなり、つらさを抱えたまま仕事をすることがよくありました。

特に、相手から予想外の言葉やきつい言葉をかけられると、その一つひとつに反応していました。仕事そのものの大変さだけでなく、そのときに生まれた気持ちを引きずることが、自分にとって大きな負担になっていると感じていました。

仕事以外では、新しい趣味を見つけたり、新しい人と出会ったりして、充実した時間を過ごしたいとも考えていました。でも、日々は目の前のことをこなすだけで終わり、思っていても行動へ移せない状態が続いていました。

「仕事を淡々とこなす」という価値に出会った

「仕事を淡々とこなす」は、どのように大切な価値になりましたか?

参加する前の私は、自分の価値観について、あまり深く考えたことがありませんでした。他の参加者が大切にしている価値観を見聞きする中で、「こういう価値観もあるんだ」と知り、その一つとして「仕事を淡々とこなす」という言葉に出会いました。

見たときに、「これだ。私もこの価値を設定して、行動へ移してみたい」と前向きな気持ちになりました。相手の言葉に反応し、不快な気持ちを抱え続けるのではなく、仕事を淡々と進める方向を大切にしたいと思ったんです。

以前も、自分でジャーナリングを試したことはありましたが、なかなか続かず、「続けられない自分はだめなのかもしれない」と感じることがありました。今回は、自分が大切にしたい価値と「今日どう行動するか」をつなげて考える流れが、私には合っていました。

不快な感情に気づき、行動の意味を考えるようになった

嫌な気持ちが出たときの向き合い方は、どう変わりましたか?

以前は、「嫌だな」「仕事をしたくないな」と思ったら、その気持ちを抱えたまま仕事をしていました。今はまず、「不快な感情が湧いているな」と気づけることが増えました。

不快な感情は、気づいたからといって消えるわけではありません。そのうえで、「仕事を淡々とこなすという、自分が大切にしたい方向にとって、この行動にはどんな意味があるだろう」「不快な感情があっても、今は進めておきたい行動だろうか」と考えるようになりました。

電話への苦手意識がなくなったとは思っていません。それでも、不快な気持ちが出ていることに気づき、それを抱えたまま必要な行動を選ぶことで、嫌な気持ちを以前ほど長く引きずらずに仕事をこなせる感覚が、少しずつ出てきました。

電話業務も新しいコミュニティも、「実験」として試した

不快な感情があるとわかっていても、どんな行動を試しましたか?

電話への苦手意識と向き合いたいと思っていた時期に、架電業務を始める機会がありました。「仕事を淡々とこなしたい」という価値を設定していたこともあり、この機会に、自分の実験だと思って挑戦しました。

仕事の日には、まず、その日に電話を何件かけるかを決めました。不快な感情が出てくることは、最初から予測できました。そこで、感情が出たときに自分はどう考え、どう行動するかまで先に決めてから、仕事へ臨むようにしました。

趣味を見つけるために、新しいコミュニティへ入ることも試しました。知らない人たちの中へ入ることには強く緊張しましたが、「自分をよく見せたい」「うまくやりたい」という考えがあるから緊張するのかもしれないと振り返りました。そして、「うまくやる場ではなく、これは実験だ」と捉えて、参加しました。

どちらも、緊張や不快な感情をなくしてから始めたわけではありません。そうした気持ちがあることを知りながら、今の自分が試せる行動を一つ選びました。

自分に合う形へ変えながら、振り返りを続けたい

これから、どんなふうに書くことを続けたいですか?

最初から、価値に沿った行動をうまく設定できたわけではありません。はじめのうちは、「今日はこれをやる」という仕事のタスクリストのようになり、最初の2週間ほどは試行錯誤していました。

他の参加者の書き方や話を見聞きして、「そういう設定のしかたもあるんだ」と知り、自分の書き方を少しずつ調整しました。ありたい姿や価値観は一度で決め切るものではなく、日々の振り返りを通して微調整していくことが大切なのだと感じています。一方で、その微調整は今も難しさがあり、考えながら続けているところです。

これからも、書き方を自分が取り組みやすい形へ変えながら続けたいです。目標や大切にしたいものは、目の前のことに一生懸命になると忘れてしまいます。だからこそ、日々振り返る習慣を続けていきたいと思っています。

考えるだけで一日が終わってしまう人へ

参加前の自分と、同じように迷う人へ伝えたいことはありますか?

参加前の私は、これからの人生をもっとよくしたい、趣味も充実させたいと、いろいろ考えていました。でも、なかなか行動へ移せず、頭の中で考えがぐるぐるしている一方で、日々は目の前のことだけをやって終わっていました。

そんな過去の自分には、今は実際に行動できていると伝えたいです。電話の仕事でも新しいコミュニティでも、不快な感情や緊張はありました。それでも、「実験」と考えて、小さく動くことはできました。

私自身、最初から価値に沿った行動が分かっていたわけではありません。「仮でもいいから」と試し、ほかの参加者の例も見ながら少しずつ調整しました。大切にしたい方向と今日の行動をつなげる流れが、私には合っていました。