価値観という言葉が、変えられない重いものに感じられた

以前、「価値観」という言葉をどのように受け止めていましたか?

私にとって価値観は、一度決めたら簡単には変えられない、とても重いものに感じられていました。関連する本を読んだときも、価値観を扱うところに来ると、そこから先を読めなくなるほど抵抗がありました。

自分の価値観を決めるなら、正しい答えを一つ選び、そのままずっと持ち続けなければいけない。そんなふうに受け止めていたのだと思います。

そのほかに、日常で難しく感じていたことはありましたか?

私は、計画を立てることがあまり得意ではありませんでした。その日にやろうと思っていたことも、別のことをしているうちに忘れてしまうことがありました。

人と会う場面では、話したいことを考えていても、緊張したり周りの目が気になったりすると、うまく言葉にできませんでした。家に帰ってから、「あのとき、こう言えばよかった」と思うことがよくありました。

「言葉は少し変わってもいい」──価値観へ向き合い始めたきっかけ

取り組む前、どのような問題意識がありましたか?

仕事も生活も空回りしているように感じ、「このままではいけない」と思っていました。ACTジャーナリングを知っても、価値観という言葉への抵抗があったので、最初から迷いなく始められたわけではありません。

それでも、書くための型があると聞きました。何もないところから正しい答えを出すのではなく、型に沿って考えられるなら、自分にも試せるかもしれないと思いました。

価値観への重さが和らいだきっかけは何でしたか?

始める前の説明で、その日のありたい姿を表す言葉は、日によって少し変わってもよいと聞きました。その言葉を受けて、ずっと変えてはいけない答えを一つ決める必要はないのだと思い、少し楽になりました。

その日の予定や会う相手に合わせて、今日はどうありたいかを考える。そう捉え直したことで、避けていた価値観という言葉へ、少しずつ向き合えるようになりました。

型に沿って、今日のあり方を選ぶ

実際には、どのようにその日のあり方を決めましたか?

用意されていた型を見ながら、今日の自分はどのように振る舞いたいかを書きました。いくつかのキーワードを組み合わせ、その日の予定に合う言葉を選びました。

毎日、まったく同じ言葉を置くのではありません。自分に合わないと感じたら少し変えて、次の日にまた試しました。型とキーワードがあることで、考える手掛かりを持てました。

言葉を選ぶ感覚を、どのように捉えていましたか?

私の中では、カセットテープを入れ替えて、聴きたい音楽を選ぶような感覚でした。今日はこのようにありたいと思ったら、その言葉を自分の中に置いてみます。

一度選んだら変えられないのではなく、その日の場面に合わせて選び直せる。そう考えると、価値観を重い決定としてではなく、今の行動を選ぶためのものとして扱いやすくなりました。

緊張する対話の前に、話したいことを書いておく

人と会う日のジャーナリングには、何を書きましたか?

その日に会う人や、話したいことを書きました。初めて会う人にどのように挨拶したいか、会話の中でどんなふうに振る舞いたいかも、できるだけ具体的にしました。

以前は、頭の中で考えていても、緊張すると忘れてしまっていました。先に言葉にしておくと、対話の場面で自分が選びたい振る舞いを思い出すための準備になりました。

緊張がある場面では、どのように書いたことを使いましたか?

人に会う直前に、朝書いたことをスマートフォンで見返しました。緊張や周りの目が気になる気持ちがなくなったわけではありません。それでも、書いておいた挨拶や話題を確認して、一つ試してみました。

あとから「こう言えばよかった」と思うだけで終わらず、その場で選びたい行動を思い出せたことが、私にとっての違いでした。

忘れても、思い出せる仕組みを持つ

書いて見返すことには、どんな意味がありましたか?

私は、やろうと思ったことも忘れてしまいやすいのですが、書いておけば見返せます。朝に考えたことを、必要な場面の前でもう一度確認することで、そのときの意図を思い出せました。

記憶だけに頼らず、書いたものを手掛かりにする。私にとっては、それが行動へ移るための仕組みになりました。

続けるために、どのような余白を持ちましたか?

最初から大きなことをしようとせず、その日にできそうな行動を置きました。決めた日にできなかったとしても、次の日にもう一度試せばよいと考えました。

これからも、書くことを続けながら、その日に選びたい振る舞いを確かめたいです。そうした選択を重ね、自分で使える時間を持つ方向へ進んでいきたいと思っています。

価値観に抵抗を感じている人へ

以前の自分と同じように、価値観を重く感じている人へ伝えたいことはありますか?

以前の私は、価値観は一度決めたら変えてはいけないものだと思っていました。でも、今日どのようにありたいかを表す言葉は、少しずつ変えてもよいと捉えられたことで、気持ちが楽になりました。

正しい答えを最初から決めようとしなくても、その日の場面で選びたい姿を一つ言葉にしてみる。私の場合は、そこから価値観へ向き合い始めることができました。