「せっかくの縁だから」と、合わない仕事や誘いを断れなかった
以前は、なぜ合わない仕事や誘いを断れなかったのですか?
受けたくない仕事の案件や、なんとなくだらだら続けていた案件、気の乗らない誘いがありました。それでも、「このままつながっていたら、何かいいことがあるかもしれない」「せっかくできた縁を切ってしまうのはどうなんだろう」と考えて、なかなか断れませんでした。
ライターとして仕事の幅を広げたい気持ちもあったので、人とのつながりを将来の可能性として見ていたところもあります。でも、自分には合わないと感じる教材やコミュニティに時間とお金を使い続けたら、負担が増えるだろうとも感じていました。
一方で、本当は地元の人ともつながってみたいと思っていました。ただ、私はもともと家にこもりがちで、一人で過ごすことも多いタイプです。自分から人を誘ったり、新しい場所へ出ていったりすることには、かなり高いハードルを感じていました。
「快適さを大切にしたい」と気づき、選び直し始めた
何を大切にしたいと気づき、最初に何を選び直しましたか?
最初のころに、自分の価値観を知るためのテストを受けました。そこで、私は「快適さ」を大切にしたい人なのだと気づきました。
それまでは、気が乗らなくても「せっかくできた縁だから」と、仕事や誘いを断れずにいました。自分が大切にしたいものを言葉にできたことで、「これは自分の価値観に合っているだろうか」と考え直せるようになりました。
他の参加者が、自分に合わない場から離れたという話を聞いたことにも勇気づけられました。そこで、続けていた仕事の案件や、気が乗らなかったセミナーを思い切って断りました。
「快適さ」を大切にしたいと分かり、合わない仕事やセミナーは断ろうと考えました。ほかにやりたいことも見えてきたため、何に時間を使うか選び直す手がかりになりました。
断ってみて、抱えていた負担の大きさに気づいた
断ってみたあと、どんなことがわかりましたか?
断ったあとは、すごくすっきりしました。実際にその案件を進めていたわけでも、セミナーを受けていたわけでもありません。それでも、選択肢として残っているだけで、自分には思っていた以上の負担になっていたのだと気づきました。
ただ、毎日の価値観と行動をすぐにうまく結びつけられたわけではありません。最初の1週間ほどは、「今の自分が大切にしたいこと」と「将来ありたい姿」を、今日の行動へどう落とし込めばいいのか迷いました。振り返りながら少しずつ調整し、10日目くらいになって、毎日の行動を合わせ直していくことが大事なのだと感じるようになりました。
たとえば、ノートにその日の価値として「不確実性を楽しむ」と書き、日中に見返していました。わからないことがあっても、今日は楽しんでみようと思い出せる。書いておくと、その日に進められたことも見えやすくなり、少し余裕が生まれる感覚がありました。
合わないものを手放し、会いたい人へ自分から動いた
やめることと始めることは、日常でどうつながりましたか?
自分に合わないものをやめる一方で、「これは自分が大切にしたい方向に合っている」と思うことは、新しく始めてみました。地元の面白そうな講座へ参加したり、知り合いに「一緒に美術館へ行きませんか」と声をかけたりしました。
以前は、地元の人とつながることにも、「ライターとして仕事の幅を広げたい」という目的を強く持たせていました。でも、まずは普通の友人関係をつくるような気持ちでいいのではないかと考えると、ハードルが下がり、動きやすくなりました。
2年ほど前に一度あきらめたインタビュー記事に、もう一度挑戦しました。「知り合いの素敵な人に話を聞く形なら、自分にもできるのではないか」と考えたからです。実際に取材をして記事まで完成させ、本人の言葉では「近々公開できそう」というところまで進みました。
好奇心を深め、世界の面白さを言葉で伝えていきたい
これから、どんな人でありたいですか?
私は、「品のいい人間になりたい」と思っています。まだ少し漠然とした言葉ですが、アートや文学、自然など、心が動くものをもっと知り、深めていきたいです。そして、楽しい人や素敵な人とつながりながら、毎日を過ごしていきたいと思っています。
ライターという仕事は、自分に合っているとも感じました。私が知ったことや出会った人の魅力を通して、「世界はこんなに面白いんだよ」と伝えていきたいです。
迷いがあっても、自分に合う一歩を選びたい人へ
同じように迷っている人へ、今伝えたいことはありますか?
私は、将来に向けてどう歩んだらいいのかわからず、不安を感じていました。今は、毎日の価値と行動を少しずつ調整しながら過ごし、以前より日々が楽しくなったと感じています。
参加前の自分には、「やってみたら」と伝えたいです。自分が大切にしたいことと、今日できる行動を結びつけて考える時間は、迷っていた私が方向を選ぶ助けになりました。
私の場合は、地元の講座に参加したり、知人を美術館へ誘ったりと、できそうな大きさまでハードルを下げると動きやすくなりました。合わないものを断ることと、会いたい人に声をかけることの両方を、少しずつ試しました。