「間違っていたら」と、言葉を止めていた
以前は、人へ質問や意見を伝えることにどんな難しさがありましたか?
打ち合わせや勉強会で、少し引っかかることがあっても、「まあいいか」とやり過ごしていました。引っ込み思案なところや、波風を立てたくない気持ちがあったのだと思います。
その場では何も言わず、あとから「聞けばよかった」ともやもやする。それでも、次の場面でも同じように言葉を止めることがありました。
言葉にする前、どんな考えが浮かんでいましたか?
目立つことへの怖さがありました。「自分の質問は間違っているんじゃないか」「そんなことを聞くのかと見下されるんじゃないか」と想像していました。
相手が本当にそう思っているとは限りません。でも、その想像から、「言わない方がいい」と自分でブレーキをかけていたんです。
「自分の軸を持ちたい」──参加を決めたきっかけ
参加を考えたころ、どんな迷いがありましたか?
若いころと比べて、自分の生きる軸が分かりにくくなっていました。何をしていても、「これは本当にやりたいことなのかな」「やってみても、あまり面白くないな」と感じることがありました。
目の前のことに流されるだけではなく、自分が何を大切にしたいのかを言葉にし、選ぶときの軸を持ちたいと思っていました。
説明を聞いたとき、どんな言葉が心に残りましたか?
自分の軸を持てることと、横から押されても戻りながら前へ進める力についての説明が、心に残りました。
流されても自分の方向へ戻れる力を試してみたい。その言葉が、参加を決めたきっかけになりました。
価値を、その日の具体的な行動にする
どんな方向を、行動の軸にしましたか?
私には、いつも学び、成長していきたいという思いがあります。分からないことを聞けば、新しい学びを得られるかもしれません。
もう一つ、人とつながり、お互いに成長するきっかけを作りたいという方向もありました。質問や意見を伝えることは、その二つにつながる行動なのだと気づきました。
大切にしたい方向を、どう行動へつなげましたか?
価値の言葉を置くだけではなく、「今日はこの質問をする」「この人へ話しかける」と、その日にすることを決めました。
毎日やることを決める習慣ができると、目の前の場面で自分が選びたかった行動を思い出せます。決めたから必ずできるわけではありませんが、言葉にする前の壁を越えるための一歩になりました。
行動を決めたあと、迷いはなくなりましたか?
なくなったわけではありません。決めたあとにも、「失敗したらどうしよう」「質問が間違っていたらどうしよう」と葛藤しました。
そのときに大切にしたのは、完璧を目指さないことです。結果がどうなるかは分からなくても、まず動いてみる。自分で決めたことだから、やってみたいと思えるようになりました。
緊張したまま、まず質問してみる
実際に言葉にしようとしたとき、どんな体験がありましたか?
質問しようとすると、かなり緊張しました。頭の中では葛藤が続き、汗が出ることもありました。
それでも、「緊張がなくなるまで待とう」とはしませんでした。完璧な言葉ではなくても、まず質問やコメントをする。そうやって、以前なら止めていた言葉を出せる場面が増えました。
言葉にしたあとは、どんな違いがありましたか?
気になっていたことを言葉にできると、そこで一つ区切りがつき、気持ちがすっきりしました。人と話すことで、つながりを感じることもありました。
何でもうまくいくということではありません。でも、「言えばよかった」というもやもやを残したままにせず、次のことへ向かいやすくなったと感じています。
日常の選択にも変化はありましたか?
何かを選ぶときに、「自分が本当に進みたい方向はどちらだろう」と考えるようになりました。
つい何となく時間を使ってしまうときや、嫌なことがあったときも、今の選択は自分に必要なのか、大切にしたいことへつながっているのかを、少し立ち止まって考えています。
価値を調整しながら、主体的に選び続ける
これから、どんな方向を大切にしたいですか?
小さくても、自分で選んだ行動を続けたいです。価値の言葉も、今置いたものを正解として固めるのではなく、書きながら「これが自分に合う」と思えるものへ整えていきたいです。
生きていく中で、大切にしたいことは変わるかもしれません。その変化も含めて、自分の軸を確かめたいと思っています。
主体的に選ぶとは、松本さんにとってどんなことですか?
自分の価値を持ち、その方向へ進むために何をするかを自分で考えることです。
緊張や迷いがなくなることを待つのではなく、それがあっても、今の自分が選びたい小さな行動を取る。そういう選択を重ねていきたいです。
モヤモヤして動けない人へ
同じように、考えながら動けずにいる人へ伝えたいことはありますか?
私も、言葉にしないまま、あとからもやもやすることがありました。
すぐに大きな結果が出なくても、完璧な言葉を待たず、気になることを一つ質問する。自分が大切にしたい方向へ、小さく動いてみる。その積み重ねから、自分の軸が少しずつ見えてくることもあると思います。