すべての仕事に追われ、患者さんと話せなかった頃
以前は、薬局でどのように仕事をしていましたか?
薬剤師の仕事には、薬の準備だけでなく事務作業など、いろいろな仕事があります。以前は一つ一つの作業に追われ、患者さんと会話する時間が少なくなっていました。
頭の中が整理されないまま、全部やらなければと思っていました。優先順位の高い仕事は何とか進めても、低いものが後に残り、残業が長くなることが続いていました。
自分の立場を、どう考えていましたか?
薬局長なので、最後に残った仕事は自分が確認し、自分が全部やらなければならないと考えていました。
「薬剤師ならこうすべき」「この年齢ならこうあるべき」「父親ならこうすべき」という考えも強く、自分がしたいことと、しなければならないと思うことが分からなくなっていました。
「何のために働くのか」──答えを探し始めた
なぜ、自分の考え方を見直そうと思ったのですか?
車で一時間ほど通勤していて、その時間に耳で勉強する習慣がありました。気になる言葉を調べていた時に、サトマイさんの本『あっという間に人は死ぬから』を知り、そこから考え方のクセという言葉に出会いました。
当時は、何のために仕事をしているのか、何のために生きているのかを悩んでいました。答えを知るきっかけになるかもしれないと思い、自分の頭の中を整理し始めました。
本当に大切な仕事から選べるようになった
最初に、仕事の見方はどう変わりましたか?
一つ一つを書き出すうちに、自分にとって仕事で一番大切なのは、患者さんと向き合うことだと気づきました。
「これは明日でもいい」「これは後でもいい」と考え、忘れないようメモに残し、優先順位の高い仕事から進めるようになりました。その結果、患者さんとの会話を持つ時間が増え、ほかの従業員との会話も増えました。
周りからは、どんな変化を伝えられましたか?
職場の人からは、患者さんとの会話が増えたことや、前より穏やかになったことを言ってもらいました。
以前もいつもイライラしていたわけではありません。ただ、意識していたことが自然にできるようになり、同じ時間の中でも余裕を持って働けるようになったと感じています。
「最初から頼めばよかった」と気づいた日
仕事を人に任せてみて、どうでしたか?
全部自分でしていた仕事を、「これは相手に任せてみよう」と考えるようになりました。任せるために必要な準備はしたうえで、周りを信頼し、自分の負担を少し軽くする行動を試しました。
実際に頼んでみると、自分以外でもできることだったんです。「最初から頼めばよかった。なんで自分で全部やっていたんだろう」と思うほど、大きな発見でした。
家族との関わりにも変化はありましたか?
妻や子どもの話を、以前より聞くようになりました。子どもが宿題をしていない時も、すぐに怒るのではなく、まず子どもの言いたいことを聞き、妻の話も聞いてから、どうするか考えるようにしています。
仕事でも家庭でも、最初から自分の考えだけで決めず、相手の話を聞くことを意識しています。
年齢や立場に縛られず、挑戦を続けたい
これから、どんなふうになっていきたいですか?
薬剤師として、専門的な分野をもっと突き詰めてみたいという気持ちが出てきました。まだ具体的に動けていない部分もありますが、自分がやりたいことを言葉にできるようになってきました。
年齢や父親という立場だけに縛られず、いろいろなことに挑戦し、周りから頼られる人になりたいです。
やるべきことに追われている人へ
同じように悩んでいる人へ、伝えたいことはありますか?
毎日のことで精いっぱいだと、これから何をしたいのかを考える余裕までなくなると思います。私も最初は、頭で分かっていても、日々に追われて振り返りを始められませんでした。
一度、自分が抱えていることを言葉にすると、本当に今日やること、後でもよいこと、人に任せられることが見えてきます。全部を背負わず、大切にしたいことから選んでみてほしいです。
CBTジム®で、やるべきことを整理し、大切な仕事を選ぶ
CBTジム®では、とっさに浮かぶ考えや感情を書き出し、思い込みや決めつけに気づくワークを通じて、日常の行動選択を見直していきます。
仕事や立場から「全部自分がすべき」と抱え込んでしまう方も、優先順位を整理することで、後でもよい仕事を分ける、人を信頼して任せるといった選択肢を増やしていけます。