「自分を全否定された」と受け取り、気持ちを抱えていた頃
以前は、仕事の連絡をどのように受け取っていましたか?
お客様から急に連絡が来ると、「怒られるのでは」と考えていました。こちらから連絡すべきことが滞っていると、それを責められるのだと思い込んでいたんです。
すぐに不機嫌になったり、不機嫌な顔を続けたりして、周りに重い空気を広げていたと思います。
修正を頼まれた時は、どんな気持ちでしたか?
グラフィックデザインでは、考えて作ったものに対して、お客様から色や形の変更を頼まれることがあります。以前は、そのひと言を、自分のすべてを否定されたように受け取っていました。
「なんでそんなことを言うんだ」という気持ちを押し殺し、抱え込んでいました。抱えて抱えて、最後に爆発し、人間関係を壊すようなことも繰り返していたと思います。
同じ反応を繰り返さないために──自分を振り返り始めたきっかけ
なぜ、自分の考え方を振り返ろうと思ったのですか?
思い込みが発生していること自体に気づかず、すぐ不機嫌になる、気持ちをため込む、最後に爆発するという反応を繰り返していました。これまでと同じ行動を繰り返さないために、まず自分の中で何が起きているのかに気づきたいと思いました。
それまでも、いろいろな勉強会に出たり、ビジネス書を読んだりしていました。それでも「まだ何か学ばないと」と不安になり、その知識を自分の行動に落とし込めずにいました。振り返る習慣がなかった自分には、知識を増やすだけでなく、日々繰り返し実践することが必要だったのだと思います。
続ける中で、何が支えになりましたか?
自分を振り返ることは得意ではありませんでした。それでも続ける中で、過去に学んだことと、今取り組んでいることが「同じことを言っていたのか」とつながってきました。
コミュニティの方が違う視点やアドバイスをくれたことも、振り返りを続ける支えになりました。
「本当にそうなのか」と一呼吸おけるように
最初に感じた変化は何でしたか?
悪い考えが湧いてきた時に、「今、思い込みが発生している」と気づけるようになりました。
以前は、たまった考えがダムが決壊したようにあふれ出し、自分でも止められませんでした。今は、「でも本当にそうなのか」「もしかしたら違うのでは」と、一呼吸おいて考えられます。
お客様とのやり取りは、どのように変わりましたか?
急な連絡に「怒られる」と考えた時、本当に怒られるのか確かめてみました。すると、実際には怒られず、よくやっていると言っていただけたこともありました。
修正を頼まれた時も、差し支えなければ理由を聞かせてほしいと尋ねたり、高圧的な言い方に悲しくなったことを伝えたりできるようになりました。
打ち合わせの終わりには、明るい笑顔で「今日もありがとうございました」と言うようにしました。そんな小さな変化から、次の仕事につながりやすくなり、プロジェクトのメンバー同士がぎくしゃくすることも減ったと感じています。
急なトラブルでも、今できることから動けた
パソコンが壊れた時、どのように対応しましたか?
パソコンが壊れた時、以前の僕なら「この先、仕事ができなくなったらどうしよう」「お客様に迷惑をかけて、もう仕事をもらえなくなるのでは」とパニックになっていたと思います。
今回は、パソコンが壊れたという事実は変わらないのだから、今できることをやろうと考えました。場所を変える、別のことをするなど、湧いてくる悪い考えから一度離れ、早く動き出せました。
周りにイライラをぶつけてもパソコンは直らないし、周りの人にとっては関係のないことだと気づきました。家族に感情をぶつけず、落ち着いて対応できたことは、自分でも複めたいと思います。
自分の考え方を、どう受け止められるようになりましたか?
「もっとうまくできるはず」「時間が足りない」という考えに押しつぶされそうになることもありました。それでも20年近く仕事を続けてきた中で身についたクセなのだと気づきました。
同時に、そんな考えが湧くのは、仕事をきちんとしたい気持ちがあるからかもしれないと思えました。モヤモヤをただ否定するのではなく、自分の一部として見直せたことで、気持ちが楽になり、動きやすくなったと感じています。
日々の実践を伝える側になりたい
これから、どんなふうに過ごしていきたいですか?
残りの人生を豊かに過ごしたいと思っています。自分の反応を振り返り、小さく行動を選ぶことを、これからも続けていきたいです。
そして、自分が学んだことを大切な人に伝えたいです。できれば、CBTトレーニングを伝え、研修ができる立場になれたら嬉しいと考えています。
知識を集めても、同じ反応を繰り返してしまう人へ
同じように悩んでいる人へ、伝えたいことはありますか?
僕は、勉強会に出たりビジネス書を読んだりして、知識をたくさん集めてきました。それでも不安は残り、次の知識を探し続けていました。
大切だったのは、知識をためるだけではなく、日々繰り返し実践し、自分の行動に落とし込むことだったと気づきました。
大きな行動を一度に目指すのではなく、打ち合わせの最後に笑顔でお礼を言うような、ごく小さな変化でもよいと思います。今できることを一つ選んで、試してみてほしいです。
CBTジム®で、思い込みと事実の間に一呼吸おく
CBTジム®では、とっさに浮かぶ考えや感情を書き出し、思い込みや決めつけに気づくワークを通じて、日常の行動選択を見直していきます。
連絡や修正依頼を「責められた」と受け取り、不機嫌になってしまう方も、本当にそうなのかを確かめることで、理由を尋ねる、気持ちを伝える、今できることから動くといった選択肢を増やしていけます。