急な変更や約束違反で、感情が大きく動いていた頃
以前は、どんな場面で感情が動きやすかったですか?
私はどちらかというと、急なアクシデントにとても弱いところがありました。
何かが起きると、過剰に不安になったり、過剰にイライラしたりしていました。仕事では施術をしていて、患者様と向き合う時にはできるだけ抑えるようにしていましたが、たとえばキャンセルがあると「自分が何か間違ったことをしたんじゃないか」とすごく不安になることがありました。
仲間内の勉強会で、約束が守られなかったり、当日キャンセルがあったり、時間を守られなかったりする場面でもイライラしやすかったです。家族とのやり取り、夫婦間のすれ違いでも感情が動きやすかったと思います。
仕事でもプライベートでも、共通していたことでした。
イライラした時は、どんな反応になっていましたか?
私は、あまり表に出さないようにするタイプだと思います。
ただ、完全に出さないと自分の中のモヤモヤが取れないところもあって、ちょっと嫌みっぽくなったり、なんとなく匂わせたりするようなことがありました。文章でも、発言でも、そういう形で出してしまいがちだったと思います。
頭の中がぐるぐる回って、仕事が手につかないこともありました。仕事中でも、リアクションで手を止めてしまうことがあったんです。
「今の自分に必要かもしれない」──向き合い始めたきっかけ
どんなきっかけで、自分の考え方を見直し始めたのでしょうか?
認知行動療法という言葉自体は、以前から知っていました。心理学系の勉強も好きで、ネットで調べたり動画を見たりすることもありました。
ただ、認知行動トレーニングという形で取り組むのは、今回が初めてでした。
きっかけは、サトマイさんの動画を見ていたことです。最初に案内を見た時はスルーしていたんですが、「めんどくさいの正体」や「罰ゲーム化する管理職と心の免疫力」といったテーマを見た時に、自分の今の状況にとても当てはまる内容だと感じました。
60代になって、年齢のことも気になるようになっていました。年齢が上がると衰えるものだと思っていたけれど、それは習慣化の問題でもあるのかもしれない。自分の思考の罠にはまっている間に、考え方が閉塞化しているのかもしれない。そう感じたんです。
ちょうど新しいことに挑戦したい時期でもありました。今の自分には、こういう学びが必要なのかもしれないと思いました。
すぐに反応せず、一呼吸おけるようになった
変化を感じたのは、どんなところでしたか?
1ヶ月ぐらい経った頃から、だいぶ落ち着いてきた実感がありました。
ワークを続けていく中で、「今考えていることは、自分の考えに囚われすぎているのかもしれない」と、日常生活の中でもパッと思いつくようになってきたんです。
以前ならすぐに動いていた場面でも、一呼吸おいて、もう少し離れて見てみようと思える。その間に少し落ち着いてきて、イライラすること自体が減ったり、イライラしても短い時間で気分転換できるようになったりしました。
仕事には、どんな影響がありましたか?
感情をできるだけ平坦に保つことを意識できるようになりました。
その結果、頭の中がぐるぐる回って仕事が手につかないとか、仕事中に反応して手を止めてしまうことが少なくなったので、仕事の進み方が変わった感じがあります。
施術の仕事では、今まで1時間ぐらいかけていたところを45分や50分にできることもあります。その分、シェアをしたり、エクササイズをお伝えしたりする時間に使える。患者様やクライアント様にとっても、少し良い時間につながっているのかなと感じています。
もちろん、これは自分の感覚の範囲ですが、感情の揺れが少なくなったことで、相手にとっても付き合いやすくなっている部分はあるのではないかと思います。
共感や質問を試し、コミュニケーションが変わっていった
ワークの中で難しかったことはありますか?
中盤の頃に難しさを感じました。
日常で起こった軽いテーマではなく、自分に向き合うようなテーマを扱おうとすると、自分の中に抵抗感やモヤモヤが起きてきたんです。「これを書いていいのかな」「こういうふうに論証していっていいのかな」と、止まる部分がありました。
そこで、心に抵抗が少ないテーマや軽いテーマも間に挟みました。習慣を続けるために、簡単なテーマも入れて、とりあえずアップするようにしていました。
アドバイザーやフィードバッカー、チームメンバーの方からコメントが入ると、「じゃあそれを試しにやってみよう」と思えました。私は人に応えるのが好きなタイプなので、言われたことをやってみて、相手がどう思ってくれるかを想像しながら取り組むのが楽しかったです。
実際に試した行動はありますか?
逆転行動として、今までと違う行動を試しました。
ひとつは、反射的に行動していたところで一歩立ち止まることです。もうひとつは、小さなことでいいので、自分が少し不安になるようなことをやってみることでした。
たとえば、コメントの返し方を変えてみました。今まではアドバイスをしがちだったんですが、それを質問の形にしたり、共感の形にしたりして、相手からのリアクションが変わるかを試しました。
すると、「ありがとうございます」だけではなく、「共感していただいて嬉しいです」とか、「こういうことに気づけました」といった言葉が返ってくることがありました。感情の部分や気づきの部分に届きやすくなるのかもしれない、と手応えがありました。
これは日常生活でも、クライアントさんへのコメントやLINEでのやり取りに活かせると感じています。
年齢を言い訳にせず、若返るように進みたい
これから、どんな自分でありたいですか?
自分の中では、まだコミュニケーションの難しさもいろいろ感じています。
でも、共感や質問を通じて、相手の気づきを促すようなコミュニケーションをもう少し取っていけるようになりたいです。仕事でも、仲間内の勉強会でも、その人が変化する支えになるような存在になれればと思っています。
まず自分から変わっていくことで、相手にも何かしらのインスピレーションを与えられるような存在になりたいです。
それから、若返りたいです。人生を逆に進められたらいいなと思っていて、今から50代、40代、30代と若返っていくようなイメージです。
年を取ったからということを言い訳にしなくても、新しいことに挑戦できる。人との関わり方にも若さを伴った、楽しいコミュニケーションが取れる。そういうふうに生きていければと思っています。
変わりたいけれど怖い人へ
同じように悩んでいる人に、伝えたいことはありますか?
変わらないことに対して、自分で安心している部分がありました。裏返すと、変わることを恐れていたとも言えると思います。
今年は変わりたいという気持ちはありながらも、なかなか動けなかった。でも今回、ある程度の決断を持って動いた自分に対しては、「よくやった」と言いたいです。
もし何か感じるものがあったら、やらない安心より、やった自信に投資することが、一歩でも人生を前に進めることにつながるのかなと思います。
CBTジム®で、自分の考え方のクセに気づく
CBTジム®では、とっさに浮かぶ考えに気が付き、思い込みや決めつけに気づくワークを通じて、仕事や人間関係での意思決定を見直していきます。
急な予定変更や相手の反応に感情が動きやすい方も、一呼吸おいて自分の考えを見直すことで、落ち着いて伝える、質問する、次の行動を選ぶといった選択を増やしていけます。