「報告すべき、共有すべき」と、自分の前提を疑わなかった頃
以前は、チームの仕事をどんなふうに見ていましたか?
チームを率いる立場なので、メンバーからの報告や相談、仕事の進み具合の管理などに関わっています。そこで遅れや不足があると、「報告・連絡・相談をすべきでしょう」「遅れないように共有すべきでしょう」と思っていました。
リーダーとして、自分もこうあるべきだという考えがありました。そういう考えを持っていること自体は、以前から分かっていたんです。
分かっていても、見直すのは難しかったのでしょうか?
会社で20数年、そう教えられてきましたから、ある意味で仕方のないことだと思っていました。
自覚はしていましたし、それで感情的になるということでもありませんでした。でも、その「仕方がない」という捉え方そのものも、自分の思い込みかもしれない、というところまでは見えていませんでした。
新しいチームで関係を築きたい──自分に向き合い始めたきっかけ
自分の考え方に向き合おうと思ったのはなぜですか?
2月に新しい組織へ異動しました。チームの関係を築き、リーダーとして、みんなで仕事をもっと良くしていきたいと思っていたんです。
新しい場所での最初の時期は大事だと思っていたので、その課題を持ってワークに向き合いました。
最後に背中を押したものは、何だったのでしょうか?
「人生のパイロットになる」という言葉です。自分で人生を選んでいくという意味が、心に響きました。
それまで自分の意思で動いてこなかったわけではありませんし、自分ではそうしていたつもりです。だからこそ、これからの人生も、自分から選んで生きていきたいと、改めて思いました。
小さな心の動きから、自分の厳しさや相手の事情に気づけた
ワークは、どのように日常へ取り入れましたか?
30分くらい時間を取って、できれば一日に一つ書こうと思っていました。ただ、仕事と両立する中で時間を確保するのは難しくて、実際には2日に1回くらいになっていました。
それでも、普段なら見過ごすくらいの小さな感情の動きに、気づくようになりました。自分の考えを振り返る期間だと意識していたことが、大きかったと思います。
自分でも意外だった気づきはありますか?
物事を、「できたか」「できなかったか」の両極端で見るところもあると分かったことです。自分には、そういう面はないと思っていました。
仕事の締め切りを過ぎた時だけでなく、お店の人が注文を間違えた時にも、心が動いていました。大きなことではないのに、自分は意外と厳しく受け止めているのだなと気づきました。
「自分がお店の人やメンバーの立場だったらどうだろう」と考えると、自分だって間違えることはあります。その時の状況によっては、集中できないこともある。そう考えると、湧いてきた感情を一度落ち着かせられるようになりました。
周りへの感謝が増え、メンバーの立場で伝えた提案も実行につながった
相手の立場を考えることで、何が見えてきましたか?
自分が気づいていなかったところでも、周りの人にたくさん支えてもらっていたんだと分かってきました。それに気づくと、感謝の気持ちが湧いてくるんです。
以前、同じ会社の全く違う部署へ移った時にも、似た経験がありました。自分にはできない仕事がたくさんあって、こういう人たちの支えで会社は動いているのだと感じたんですね。今回も、それに近いものを感じました。
チームへの提案の仕方は、どう変わりましたか?
私たちは営業のチームなので、新しいやり方や、その後の修正を考えることがあります。リーダーという立場から、指示として進めることもできます。
でも、今は「こういうふうにやってみませんか?」と提案して、実行につながるようになってきたと感じています。
自分の考えを伝える時に、メンバーにとってどんな良い点があるのか、どう仕事を進めやすくなるのかも考えるようになりました。
相手の立場から見た良さも伝えられるようになったことが、大きいと思います。
関係づくりには、どんな手応えがありますか?
自分から好意的に接すると、相手からも返ってくるように感じます。新しい組織での最初の時期に、関係性が良くなってきたという手応えがあります。
ただ、数字で測れる成果が出たということではありません。具体的な成果を見るには、もう少し時間がかかると思っています。
自分で選び、ご機嫌で過ごす──笑顔のある人生へ
これから、どんなふうに過ごしていきたいですか?
「笑顔のない人生にしない」ということを、大切にしています。そのために、ご機嫌で過ごせるようにしていきたいですね。
同じ出来事でも、捉え方が変われば、感情や次の行動も変わるということを、自分で経験できました。自分で人生を選んでいくということに、手応えを感じています。
いつもの考え方から、半歩だけ踏み出してみたい人へ
これから自分の考え方に向き合う人に、何を伝えたいですか?
慣れた場所から、一歩とは言わなくても、半歩だけ外へ出てみてほしいです。
自分にとっては、新しい刺激があり、見えていなかったことが見える経験でした。そうすると、感謝の気持ちも湧いてくるのではないかと思います。
CBTジム®で、「こうすべき」という前提を見直し、相手に伝わる提案を考える
CBTジム®では、とっさに浮かぶ考えや感情を書き出し、思い込みや決めつけに気づくワークを通じて、日常の行動選択を見直していきます。
メンバーはこうすべきだと感じる方も、相手の事情や支えてもらっている部分に目を向け、取り組む意味を伝えることから、チームとの関わり方を考えてみませんか。