相談しても無理だと感じ、孤独だった頃
以前は、どんな状態でしたか?
完全に、勤めていた会社をもう辞めたいな、辞めようと思っている状態でした。
中途入社して結構最初の頃に、「これはおかしくないかな」と感じることがあって、そのまま率直なコミュニケーションをしたんです。そうしたら、「それって工藤さんが悪いんじゃない?」というような流れになってしまって。苦しいときに助けてもらえない、相談しても無理だ、と感じるようになりました。
めちゃくちゃ孤独だな、と。それがなかなか変えられないまま2年ぐらい続いて、この先希望が見えないというか、続けてもちょっと苦しいだけだなという思いから、辞めようと思っていましたね。
日常では、どんな場面で感情が動いていましたか?
仕事での出来事そのものではないんですけど、日常の中で感情が動くのは、仕事に対することが多いなという気づきがありました。
たとえばコンビニで接客を受けたとき、「本当はこうされるはずじゃないのかな」という思い込みが結構強くて。そういう対応をされなかったときに、がっかりしたり、イライラしたりすることがあったんです。
それに気づいて、自分の思考の傾向を、うまくいくようにコントロールできたらいいなと思うようになりました。
「声が大きい人の勢いに負けていませんか」──向き合い始めたきっかけ
どんなきっかけで、考え方を見直そうと思ったのですか?
きっかけは、おそらくサトマイさんのYouTubeだと思います。
もともと学びが好きで、いい学びがあったら取り入れたいというのは日頃から持っていました。統計の話も気になっていて、サトマイさんのYouTubeは内容がしっかりしているので、勉強になるなと思って見ていたんです。
その中で考え方のクセを見直すワークの話が出てきて、もともと心理学にも興味があったので、すごくマッチした感覚がありました。
印象に残っていた言葉はありますか?
「声が大きい人の勢いに負けていませんか」という言葉を覚えています。
人間味がありながら、とてもロジカルで、数字をもとに考えるところに興味を持ったのかもしれません。雰囲気で流されてしまうところから、事実と解釈を分けて考えられるなら、今困っていることのヒントになるかもしれない、と思いました。
朝の習慣に重ねて、完璧じゃなくても続けた
ワークは、どんなふうに続けていましたか?
ワークを実際にやったのは、朝の時間帯が多かったです。
日中の感情の動きを覚えておいて、夜にやろうとしたこともあったんですけど、夜はなかなかうまくいかなくて。次の日の朝に、前の日の出来事を思い出しながらワークをすることが多かったですね。
もともと朝に習慣的にやっていることがあったので、それにくっつける形でやっていました。
続ける中で、つまずいたことはありますか?
自分のワークに対してフィードバックをもらえるんですが、返事ができない日があって、ちょっと後ろめたい、開くのが億劫だ、という気持ちになってしまったことがありました。
でも冷静に見ると、相手は僕に良くなってほしいと思ってやってくれているはずで、その影響で僕の手が止まってしまったら、一番残念な結果になってしまう。そう理解したら、「返事はできていないけど、ワークは続けよう」という考えになりました。
あとは、お金への思い込みと向き合いたいと思っていたのに、日々の感情が動く場面は別のことが多くて、モヤモヤしたこともあります。それも「出てきたら、そのときやればいい」と考えて、完璧じゃなくても続けることを大事にしました。
「僕が正解だ」を手放したら、職場の見え方が変わった
職場では、どんな変化がありましたか?
上司は同じ人なんです。でも、日常のコミュニケーションで「僕が正解だ」というような話し方をしがちだったのが、柔軟で客観的な言葉に変わっていったと思います。
その積み重ねで相手の反応も変わってきて、僕も素直に相談できるようになっていきました。当時は「自分が正しいでしょ」という態度になっているとは思っていなかったんですけど、今考えてみると、そういう傾向があったんだろうなと思います。
結果的に、「会社も悪くないな」「辞めることでもないかな」というところに至りました。
「〜すべき」という思考は、どう変わりましたか?
覚えているのは、コンビニの電子レンジでのことです。温めようとしたら、解凍用と温め用で出力が違う機械が並んでいて、僕は間違えてしまって。3分待って出てきたものが冷たくて、すごくがっかりしたんです。
何にがっかりしたかというと、「それぐらい分かるようにしておくべきだ」「お客様に勘違いさせるような案内はすべきじゃない」という思考を持っていたんですね。ふたを閉めてみたら、ちゃんと大きく書いてあったんですけど。
でも、これは人に押し付けることでもないなと気づきました。自分が自分の仕事で誇りを持ってやればいいだけで、相手に押し付けるものではない。そう気づいてから、がっかりしたりイライラしたりすることが減りました。
「〜すべき」が強いのは、ある意味、自分が仕事にこだわりを持って生きている部分なんだと気づけたのも大きかったです。「頑張ってるな、こいつ」と、ちょっと自分を認められたというか。
何気ない話ができる人が増えた──これからの展望
仕事以外では、どんな変化がありましたか?
友達ができるようになった、というのがあります。
今思えば、どこかで損得のような指標で人付き合いを見てしまう傾向があったのかもしれません。それが純粋になくなって、何気ない話ができる人が増えたなと感じています。
前の年に東京に引っ越してきて、ほとんど会社と自宅の行き来だけだったんです。何か学びたいと思って外に出始めて、新しい出会いがあって。そこでフラットなコミュニケーションが取れるようになっていたのかなと思います。
今後、どんなふうになっていきたいですか?
軸にあるのは、人のサポートをしたい、人を助けたいという思いです。
ある人がのびのびと生き生きして、仕事もうまくいっている状態になるお手伝いをするのが好きなんだな、と感じています。それを追求しながら、自分の幸せも取っていきたい。そういう存在になりたいなと思っています。
学ぶだけで終わりたくない人へ
同じように悩んでいる人へ、どんなメッセージを届けたいですか?
僕はもともと心理学に興味があって、いろいろ学んできました。
その中で感じるのは、「これをするといいよ」がはっきりしている学びは強い、ということです。いろいろ学んでも人生が変わらない感覚があった人でも、実践していくと、これまで学んだことがいろんなふうに腑に落ちる。少なくとも僕はそうでした。
学ぶだけじゃなくて実践していきたい、自分を変えていきたいという人には、考え方のクセと向き合うワークはおすすめです。
CBTジム®で、自分の考え方のクセに気づく
CBTジム®では、とっさに浮かぶ考えに気が付き、思い込みや決めつけに気づくワークを通じて、仕事や人間関係での意思決定を見直していきます。
「相談しても無理だ」と抱え込みやすい方も、自分の「〜すべき」に気づくことで、柔軟な言葉で伝える、素直に相談する、相手の事情を想像するといった選択を増やしていけます。