周囲の不機嫌を気にして、話せない自分も責めていた頃
職場では、どんなことに悩んでいましたか?
身近に、いつも不機嫌そうにしている同僚がいました。その人のことがすごく気になって、気を遣いながら仕事をしていたんです。
相手の不機嫌な様子ばかり気になって、仕事がうまく進まなくなっていました。話しかける時も、心配しながらおずおずと声をかけていましたね。
自分に向けられた怒りでなくても、誰かが怒っているのを見ると、自分まで責められているような気持ちになっていました。
人との会話でも、反応が気になっていたのでしょうか?
何人かで昼ご飯を食べる時、何を話したらいいか分からずに固まってしまうことがありました。そして、「なんで話せないんだろう?」と、そんな自分を責めていました。
何か話して、相手が少し不快そうな表情をしたように見えると、「私は話してはいけないんだ」と思っていました。
自分の意見が伝わらないと、「私の言うことなんて、言ってもしょうがない」と感じる。そういう考え方は、子どもの頃からありました。
「自分が悪い」以外の見方を知った──考え方に向き合う転機
ワークを始める前から、ご自身の考え方は気になっていましたか?
自分に自信がないことや、自分を責める考え方をしていることには、気づいていました。でも、気づいていても変えられなかったんです。
以前より少し楽になっていた部分もあったんですが、似たことがあると、また同じ考えが顔を出していました。悪いことが起きると、自分のせいだと思ってしまうところがありましたね。
考え方を見直す中で、転機になったことは何ですか?
別の見方を考えるワークをして、「自分が悪い」と同じように受け取っていたことに気づきました。それ以外の見方もあるんだと分かったんです。
人によって考えが違うことは、もともと頭では分かっていたつもりでした。でも、自分が書いたことに直接助言をもらって、やり取りをすると、「そんな捉え方もあるんだ」と、実感できたんです。
モヤモヤを書いて、自分を責める前に別の見方を探せるようになった
最初は、自分の気持ちをうまく書けましたか?
起きたことと感情を分けるのは、難しかったです。なんとなくモヤモヤしていても、何に対してそう感じているのか、言葉にできないことがありました。
でも、書いていると少しずつ分かってくることに気づいて、「モヤモヤしたら、とりあえず書いてみよう」と思うようになりました。
思いついた時にメモして、時間があればその場で書いたり、昼休みに改めて書いたりしていました。続けるうちに、自分の思い込みがいろいろ出てくることが、面白くなっていったんです。
いつもの考えが浮かんだ時、どうするようになりましたか?
前は、最初に浮かんだ考えにガチガチに囚われていました。今は「ちょっと待って、ほかの見方はないかな?」と考えるようになりました。
例えば会話がうまくいかなかった時も、「今回はうまくいかなかったんだな。次はどうだろう?」と思えるようになりました。今も話すのがとても上手なわけではないんですが、一つダメだったからといって、そのまま自分を責め続けなくなりました。
それまで思いつかなかった対応も、「やってみてもいいんだ」と思えると、気持ちが少し自由になりました。
同僚には穏やかに話しかけ、母の言葉にも自分を否定せずにいられた
同僚への接し方は、どう変わりましたか?
相手は相手、自分は自分と、分けて考えられるようになりました。同僚が不機嫌でも、私まで不機嫌になるのは嫌だなと思ったんです。
だから、自分は穏やかに接しようと決めました。話しかける時も、相手の様子におびえるのではなく、自分は機嫌の良い状態で行こうと決めて、ニコニコと明るく話せるようになりました。
誰かが怒っていることと、自分が悪いことは同じではない。自分に向けて何か言われた時にも、「本当に私だけが悪いのかな?」と考えられるようになったと思います。
ご家族とのやり取りにも、変化はありましたか?
母は明るく元気な人ですが、私が何かをしようとすると、ダメ出しをされることもありました。子どもの頃から、それで傷ついた経験がありました。
ワークをしていた時期にも、母に「下手だな」と言われることがありました。以前なら、私は下手なんだと落ち込んだり、母の顔を見たくないと思ったりしていたと思います。
その時は、母にそう言われても、「私は別にダメじゃない」と思えたんです。母の一言だけで、自分まで自分を否定しなくてよくなりました。
怒りが湧くことはあります。でも、話を聞きたくない時はそう伝えて、いったんその場を離れて落ち着くこともできるようになりました。
人を気にかける良さも、自分の気持ちも大切に
人の反応が気になる自分を、今はどう捉えていますか?
ワークを見てもらう中で、人の反応をすごく気にしていると言われて、「みんなが同じくらい気にしているわけではないんだ」と分かりました。自分では、それが普通だと思っていたんです。
でも、助言をしてくださる方から、気になることは悪いところばかりではなく、良いところでもあると教えてもらいました。
以前なら、「気にしすぎる私はダメだ」と思っていたかもしれません。今は、気にかける自分も認めながら、相手の反応に振り回されすぎないようにできていると思います。人のことも大事にするけれど、自分も大事にしていいんだと感じています。
自分の考え方に気づいても、変えられずにいる人へ
過去のご自身や、これから取り組む方に伝えたいことはありますか?
過去の自分は、自分を責めていると気づいていても、どうしたらよいか分かりませんでした。実際に取り組んでみると、自分の考え方のクセと、その時にできる対応が分かってきました。私にとっては、期待していた以上の経験でした。
これから取り組む方には、ワークを実際にやってみることを大切にしてほしいです。私自身も、繰り返し書く中で気づくことが増えていきました。取り組もうとしている方を、応援しています。
CBTジム®で、相手の反応と自分を分け、自分も大切にする接し方を考える
CBTジム®では、とっさに浮かぶ考えや感情を書き出し、思い込みや決めつけに気づくワークを通じて、日常の行動選択を見直していきます。
周囲の不機嫌を自分のせいだと感じる方も、相手の反応と自分の気持ちを分け、話し方や距離の取り方を選ぶことから、人との関わり方を考えてみませんか。