人の期待に応えてばかりだったデザイナーが、無理な依頼を断り、自分の時間を大切にできるように

在宅勤務でデザイナーの仕事をしているりえさんは、忙しいのに充実感を持てない毎日を過ごしていました。難しい納期の依頼も、予定やお金に余裕がない時の食事の誘いも、断ると相手を悲しませる気がして引き受けていたといいます。

仕事と私生活の境目が曖昧になり、気づけば夜中まで仕事をしていることもありました。自分がどうしたいのか分からないまま、次の予定や用事に追われていました。

気持ちを書き出す中で、「人の期待に応えなければ」という思いに気づいたりえさん。自分にできる日程を伝える、家族に本音を話すという行動が、どんな変化につながったのかをお聞きしました。

Before

  • 人の期待に応えなければと思い、難しい納期の仕事も断りづらかった
  • 予定やお金の面で無理があっても、食事の誘いを断れなかった
  • 母に頼まれると「なぜ私ばかり」と怒り、言い争うことがあった
  • 自分が本当はどうしたいのか分からず、モヤモヤを抱えていた

After

  • 無理な納期には、自分にできる日程を伝えられるようになった
  • 都合が合わない食事の誘いを断れるようになり、気持ちが軽くなった
  • 怒りの奥にある不安を伝えるようになり、母との言い争いが減った
  • 嫌だったことや本当の望みが分かってきて、自分で選べると思えるようになった

Contents

目次

  1. 忙しいのに満たされず、人の期待に応えようと断れなかった頃
  2. 自分で人生を動かす感覚を知りたい──向き合い始めたきっかけ
  3. 気持ちを言葉にして、本当は嫌だったことや望みが見えてきた
  4. 仕事の依頼を断れるようになり、母とも気持ちを話せるようになった
  5. 自分の選択を大切に、仕事も暮らしも描いていきたい
  6. 願いを叶えたいのに、自分の望みが見えない人へ

Trust

運営代表 / インタビュアープロフィール

運営代表:佐藤舞(サトマイ)

佐藤舞(サトマイ)プロフィール写真

合同会社デルタクリエイト代表社員 / 桜花学園大学客員教授
科学的な脳トレ「CBTジム®」を主宰。過去2600人に提供。
企業のマーケティングリサーチや需要予測などを行いながら、ビジネス統計学の専門家として、地上波テレビ・ラジオ、新聞、雑誌、経済メディアを通して、情報発信を行う。
上場企業の社外取締役も務める。

インタビュアー:さき

小柳出紗季 プロフィール写真

CBTジム®運営スタッフ / CBTジム®勉強会講師 / CBT実践歴6年
完璧主義によって仕事が思うようにパフォーマンスを発揮できなかったところから、CBTを通じて仕事の生産性が上がっただけでなく、自分や家族、仲間を大切にしながら、価値観にそって仕事に取り組めるようになった。

忙しいのに満たされず、人の期待に応えようと断れなかった頃

在宅勤務になってから、どんな毎日を過ごしていましたか?

大学を卒業してから、ずっと会社勤めでした。在宅勤務になった時、家にいるけれど仕事をしているという状況に慣れなくて、仕事と私生活の境目が曖昧になっていました。

気づくと夜中まで仕事をしていたり、「このままでいいんだろうか?」と思っても、次の予定や用事に追われたりしていました。忙しいのに、充実感が全然なかったんです。

モヤモヤが晴れず、気持ちが重くて、母にも当たってしまう。一体どうしたらいいんだろうと思っていました。

頼まれた時に、断れないのはなぜだったのでしょうか?

人の期待に応えなければいけない、という気持ちが強かったんです。仕事で「この期間では難しい」と思う依頼が来ても、断りづらかったです。

食事に誘っていただく時も、予定やお金の面で難しくても、全部行こうとしていました。せっかく席を取って誘ってくれたのだから、断ったら申し訳ないと思っていたんですね。

断ることは悪いことで、相手を悲しませたり、嫌われたりするに違いない。そう考えて、自分の時間もお金も窮屈になっていました。

自分で人生を動かす感覚を知りたい──向き合い始めたきっかけ

自分の考え方と向き合い始めたきっかけは何ですか?

人生のパイロットになるという考えに、共感したことです。

最初は、自分で自分の人生を動かすと言われても、実感がありませんでした。言葉としては分かるけれど、実際にどういうことなのかは、経験していなかったんだと思います。

どんなことを確かめてみたかったのでしょうか?

自分がなぜモヤモヤしているのかも、よく分かっていませんでした。自分で人生を動かすとはどういうことなのか、その感覚を経験してみたかったんです。

振り返ると、それまで自分がどうしたいのか、どうなりたいのかを、あまり考えずに来てしまったと感じています。

気持ちを言葉にして、本当は嫌だったことや望みが見えてきた

ワークを続けて、最初に分かってきたことは何ですか?

自分の気持ちを言葉にして書いていくと、「私はこういうことが嫌だったんだ」「本当はこうしてほしかったんだ」と、少しずつ分かってきました。

それまでは、自分の思いを一つずつ言葉にしたことがなかったんです。何が嫌で、どうしてほしかったのかが分かると、モヤモヤも少しずつ晴れてきました。

母への怒りには、どんな気持ちが隠れていましたか?

母に何かを頼まれると、「なんで私ばかりやらなければいけないんだろう?」と怒っていました。そのことを何度か書く中で、母が年を取っていくことへの怖さがあると気づいたんです。

前は自分でやっていたことを、今は私に頼む。もし母に何かあったらどうしようという、孤独への不安もありました。

ただ母に腹を立てていると思っていましたが、母が年を取っていくことが怖くて、不安だったんだと分かってきました。

印象に残っている助言はありますか?

大切にしている価値観も、強くなりすぎると視野が狭くなる、と教えてもらったことです。

私は自分の価値観を使って、知らないうちに相手を判断したり、自分の怒りを正当化したりしていたのかもしれないと気づきました。価値観を武器のように使うのではなく、自分や周りを照らす灯りのように持てたらと思いました。

仕事の依頼を断れるようになり、母とも気持ちを話せるようになった

仕事の依頼や食事の誘いには、どう対応するようになりましたか?

断ることは悪いことではなく、自分を大事にすることでもあると思えるようになりました。

仕事で無理な内容なら、「この日までだったらできます」と伝えています。食事の誘いも、都合が良くない時は、その事情を伝えて断れるようになりました。

実際に断れるようになってから、気持ちがとても軽くなりました。何でも引き受けて我慢する以外の対応が、自分にもできるようになったんです。

母には、どんなことを伝えたのでしょうか?

以前は、ただ怒りをぶつけていました。今は、なぜ自分が気になっているのかも、母に伝えるようにしています。

前はできていたことを私に頼むようになったけれど、もし本当にできなくなっているなら、私は少し悲しい。そんなふうに、どうして自分が気になっているのかを伝えたんです。

「なんで私ばかり」と言うだけだったところから、母を思って悲しくなる気持ちも話せるようになりました。

その後、母とのやり取りはどう変わりましたか?

母から「いつもありがとう」「ごめんね」「これは自分でできるから、やってみる」といった言葉が出てきたことに、驚きました。母との言い争いが減ったことは、自分でも感じています。

今も、イラッとすることはあります。でも、その時に一度立ち止まって、一呼吸おけるようになりました。自分の話す言葉も、以前より優しくなっているのではないかと思います。

自分の選択を大切に、仕事も暮らしも描いていきたい

これから、どんな自分でありたいですか?

相手や周りの状況に反応するだけではなく、自分はこうしたい、こうなりたいという軸を持っていたいです。

自分が選んだことや習慣を大切にして、仕事も私生活も、自分らしく描いていきたいと思っています。

気持ちに目を向けて言葉にするのは、派手な作業ではありません。でも、その小さな習慣を積み重ねることの大切さを感じました。自分に関わってくださる人たちにも、穏やかさを広げられるような人になりたいです。

願いを叶えたいのに、自分の望みが見えない人へ

これから取り組む人へ、どんな経験を伝えたいですか?

私は、願いを叶えるための方法や成功法則など、いろいろなものを試してきました。でも、しっくり来るものがありませんでした。

自分を振り返る中で、そもそも自分の本当の願いが分かっていなかったことに、気づいたんです。自分がどうしたいのかが見えないと、何を目指すのかも分からないんですね。

少しずつ自分の気持ちが分かってきて、人任せや偶然に任せるだけではなく、自分で選び、自分で行動していけると思えたことが、私にはうれしかったです。

CBTジム®で、人の期待と自分の気持ちを分け、無理のない伝え方を考える

CBTジム®では、とっさに浮かぶ考えや感情を書き出し、思い込みや決めつけに気づくワークを通じて、日常の行動選択を見直していきます。

依頼や誘いを断れず、自分の時間を後回しにしてしまう方も、本当はどうしたいのかを確かめ、できる日程を提案する、都合を伝えて断るといった選択を考えてみませんか。

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