いくつもの役割に追われ、目の前のことで精いっぱいだった頃
以前は、日々をどのように過ごしていましたか?
フルタイムの仕事に加えて、育児や介護、家事がありました。頭の中はいつもごちゃごちゃしていて、広い視野で考える余裕がなく、目の前のことをこなすのに必死でした。
「あれもできていない」「まだ終わっていない」「もっと上手にできるはずなのに」と、足りないことばかり考えていました。
どんな時に「こうあるべき」が強くなっていましたか?
仕事、母親、介護、家事。それぞれの役割をきちんと果たしたいと思うほど、「こうあるべき」が強くなり、最後には「できていない」という結論になっていました。
仕事が丁寧だと言ってもらう一方で、失敗したくない気持ちが強く、文章を何度も見直していました。時間がかかった分を、残業や休日出勤で補っていたんです。
人前で話せず落ち込んだ日──最初に自分と向き合ったきっかけ
最初に振り返ったのは、どんな出来事でしたか?
みんなで話す場に出た時、私は上がり症で、あいさつをするのが精いっぱいでした。せっかく話す時間があったのに、ほとんど発言できず、落ち込んでしまったんです。
以前から上がり症だとは分かっていましたが、「ちゃんと話さなければ」「顔に出してはいけない」など自分を制限していることを、順番に整理したのは初めてでした。
決められた項目に沿って一つずつ見直せたことで、頭の中にあるものと向き合い始められました。
頭の中を一つずつ整理し、眠りにも変化が表れた
最初に感じた変化は何でしたか?
夜に振り返りを始めて数日ほどで、頭の散らかりがすっきりし、以前よりよく眠れると感じました。自分でも早い変化に驚きました。
それまでは考えること自体が難しくなるほど頭がいっぱいでした。出来事や気持ちを一つずつ整理したことで、考えを整理する余裕が少し生まれたのだと思います。
家族との会話は、どう変わりましたか?
以前は、落ち込んでいることや自分を責めていることは、人に話すものではないと思っていました。何もない顔をしていましたが、家族には伝わっていたと思います。
今は「こんなことがあって落ち込んだ」「自分はダメだと思ってしまった」と話せるようになりました。家族から「そんなに大したことではないよ」と返してもらうと、話しても家族を困らせるわけではないと分かりました。話さないせいでぶつかる、ということが減り、会話の時間が増えたと感じています。
見直しを減らし、子どもを手伝う前に待ってみた
仕事で試した小さな行動は何でしたか?
自分の時間がほしいという思いもずっとあったので、文章の見直し回数を減らしてみました。
実際に試すと、仕事にかかる時間が短くなり、それでも大きな問題は起きませんでした。自分の心配が、実際よりも大きくなっていたことに気づきました。
子どもとの関わりでは、何を変えましたか?
子どものことになると心配で待てず、「できているの」と先に聞いたり、途中まで準備したりしていました。分かっていても、口出しと手助けをすることをやめられませんでした。
そこで、少し待つことを試しました。すると、意外と問題は起きず、子どもが自分で進められることも分かりました。小さく試すだけでも、こんなに発見があるのだと感じています。
職場でも、仕事に集中すべきだという緊張が少しゆるみ、周りから仕事以外の話を振ってもらうことが増えました。
自分の生き方を、自分で決められるようになりたい
これから、どんな自分でありたいですか?
目の前のことだけでなく、今どこにいて、どこへ向かい、どう進むのかという先の見通しを持てる自分でいたいです。
これまでは、いつも自分のことが後回しでした。年齢を重ねる中で、このままの生き方を最後まで続けたいわけではないという気持ちも出てきました。自分でよく考え、「私はこう生きる」と決められるようになりたいです。
できていないことばかり見てしまう人へ
同じように悩んでいる人へ、伝えたいことはありますか?
頭の中がいっぱいだと、自分と向き合うことさえ難しく感じるかもしれません。私も、できていないことや足りないことばかり見ていました。
それでも、起きたことや気持ちを一つずつ順番に整理すると、今まで見えなかった別の見方が見つかることがあります。全部を一度に変えようとせず、まず一つ、いつもと違う行動を試してみてほしいです。
CBTジム®で、いくつもの役割を抱えた頭の中を一つずつ整理する
CBTジム®では、とっさに浮かぶ考えや感情を書き出し、思い込みや決めつけに気づくワークを通じて、日常の行動選択を見直していきます。
仕事や家族のことをきちんとしなければと自分を後回しにしてしまう方も、出来事を整理することで、文章を見直す回数を一回減らす、相手の行動を少し待つといった選択肢を増やしていけます。