相手にどう思われるかで行動を選んでいた頃
以前は、どんな状態でしたか?
もともと、人から嫌われることを過剰に恐れている自分がいて、その結果、自分の選択に「他人がどう思っているか」を考えて行動を選んでしまう癖がありました。
仕事の中での選択もそうですし、プライベートでも、親との関係でもそうです。基本的に「相手が嫌な気持ちにならないかどうか」がすごく気になっていました。
たとえば仕事では、「これできる?」という軽い依頼を受けたときに、「できない」と言うことにすごく恐怖を感じてしまって。多少無理をして「できる」と返事をして、その結果、自分で自分の首を絞めて慌ててしまう。「できない」と言えずにモヤモヤした返事をしたまま、後で過剰に謝って、相手との関係が上滑りするようなこともありました。
パートナーに「今日会いたい」と言われたら、疲れていても多少無理して会いに行く。結局疲れているからいい時間にならず、モヤモヤする結果になる。そんな行動になりがちでした。
苦しさは、どんなふうに表れていましたか?
ストレスを感じている自分を、うまく処理できませんでした。
そういうときはお酒をちょっと多めに飲んでしまったり、それに合わせてしょっぱいものや油ものをたくさん食べてしまったり。ショート動画をダラダラ見て、「動けないな」と思いながら2時間、3時間経っていることもありました。
自分で自分の体を痛めつけるような感じになっていたなと思います。
自分のやり方では変えられなかった──向き合い始めたきっかけ
それまで、自分なりに試していたことはありますか?
自分をどうにか変えていきたいという気持ちが、ここ1年ぐらいで高まっていました。
1年半ぐらい前から、朝にノートを3ページ書くジャーナリングを始めて、それが日記に変わって、瞑想を始めて、朝のウォーキングや朝ごはんなど規則正しい生活を心がけて。自分の目標を書いて自分に問いかけたり、ChatGPTとやり取りしながら自分の気持ちを探ったりもしていました。
ただ、1年やってきてある程度までは行ったけど、やっぱり変えられていない自分がいるな、と思っていました。
どんなきっかけで、ワークと出会ったのですか?
サトマイさんのYouTubeを見て、いろいろ参考になるなと思っていたところで、考え方のクセを見直すトレーニングがあると知りました。本を読んだり話を聞いたりする中で、この人の言うことは理屈が自分の信じるものと近いな、信用できるなと思ったんです。
「自分で自分の操縦者になる」「自分のパイロットになる」という言葉が、すごく心に響きました。あとは、自己流で進めるのではなく、型のとおりにきちんとやっていきましょうという話があって。自分のやり方で1年やってきて変えられなかったので、その型とロードマップに可能性を感じました。
「自分は無理をしていた」と気づいた小さな変化
最初に感じた変化は何でしたか?
ワークの中に、自分の感情に気づくというところがあるんですが、そこから始めたときに、自分は「自分が無理をしている」ということを自覚していなかった、と気がつきました。
嫌だな、やりたくないな、疲れているな、怖いな。そういう感情を無視して、「適切な行動」をやってしまう。感情を無視して行動するので、人から見たら冷静に対処できているように見えるかもしれないけど、実際はすごく緊張して、躊躇している。そういう流れが必ず最初にあったことに気がつきました。一番大きな変化の最初は、そこでした。
最初の2、3回では言葉にできていなくて、「ちょっとワークが上滑りしてるな」と掘り下げていったら、2周目ぐらいでそれが言語化できてきた感じです。
気づいた後は、どうしましたか?
「自分は嫌なんだな」と気づいたあとに、それを認めるところから始めました。
「自分は今、嫌な気持ちになっているんだな」と思ってから選択する。そのうえで、「自分を犠牲にしている」というところまで言葉にできるようになったのが、次の段階です。
「すみません、まだできないです」と言えたさらなる変化
実際の場面では、どんな変化がありましたか?
4ヶ月前に転職したばかりなんですが、新しい環境で少しずつできることが増えてきた中で、「これできますか?」と、自分を犠牲にして頑張ればできることをお願いされたことがありました。
そのとき、冷静になって、「すみません、まだちょっとできないです」と断ることができたんです。これは自分の中で、すごく大きな変化でした。
断るとき、心の中はどんな感じなのですか?
「断っても、なんとかなるかも」という感じです。
自分は怖がりなので、できるだけ怖いことはしたくない。でも、「そんなに怖くないんだよ」と、もう1人の自分が冷静に見てあげるような感覚があります。ワークで自分の思考のクセを言葉にしてパターン化していくと、「自分は過剰に先のことを悪く見積もりがち」というのが、しょっちゅう出てくるんです。
だから、「これは現実的な予想ではない。僕が考えすぎていることなんだ」と、自分で自分に説得できるようになりました。前は「やりたくないけど頑張ります」と心の中で思いながら受けて、その結果潰れていったんですけど、今は「それは多分、過剰に怖がってるんだよ」と自分に伝えてから、返事を選べるようになりました。
「自分が自分でOK」という感覚が、どんどん大きくなってきています。
20数年ぶりの同窓会に挑戦──これからの展望
今、挑戦していることはありますか?
今チャレンジしているのが、20何年ぶりの同窓会を企画することです。
人に気を使うというか、嫌われるのが怖いという、とっさに浮かぶ考えがまた出てくるのは、もう100%見えています。そういうときに、ワークに自分の気持ちをぶつけて、「またこの感情が出てきている」と確認することを繰り返しながら、まずは同窓会を成功させたいなという具体的な目標があります。
そういうことを繰り返しながら、より生きやすい、大きな自分になりたいなと思っています。
考えすぎて動けなくなる人へ
同じように悩んでいる人へ、どんなメッセージを届けたいですか?
実は、このインタビューに顔を出して話をすること自体が、自分にとって「いつもと違う行動を試す」挑戦でした。本来の自分だったら、リスクを考えてやらないという選択を取っていたと思います。でも、伝えたい気持ちと、実際に起こる影響を想像して天秤にかけたときに、きっとメリットのほうが大きいだろうと思って、自分で選択しました。
僕は、臆病な自分に気づいて、自分をちょっと変えることができたなと思っています。
同じように、人のことが気になって、考えすぎて怖がる癖がある人が、「自分もそうだな」と思って、何かアクションを起こすきっかけになればうれしいです。同じように考えている人がいたら、頑張っていきましょう。
CBTジム®で、自分の考え方のクセに気づく
CBTジム®では、とっさに浮かぶ考えに気が付き、思い込みや決めつけに気づくワークを通じて、仕事や人間関係での意思決定を見直していきます。
嫌われたくない気持ちから無理を重ねやすい方も、自分の感情に気づいて認めることで、断る、頼る、自分の気持ちで選ぶといった選択を増やしていけます。