断られると思い込み、社員への頼み方を考えすぎていた頃
社員の方に仕事を頼む時、どんなことを考えていましたか?
私が指示を出す立場ではあるんですが、社員が忙しい時や、本人があまりやりたくない仕事を頼む時もありますよね。そんな時に、頼んだ仕事を受け入れてもらえるかが、ずっと気になっていました。
「こういう言い方なら伝わるかな?」「この伝え方なら受け入れてもらえるかな?」と、必要以上に考えていたんです。断られたら自分でやるか、というところまで考えていました。
まだ起きていないことを、頭の中で何度も想像していたんですね。
うまくいかなかった時は、どんな気持ちになりましたか?
仕事でも私生活でも、思っていた通りにできないと、自分が嫌になってしまうことが多かったです。
特に、ミスをした自分が恥ずかしいという気持ちがありました。その気持ちを、自分の中にため込んでいたと思います。
家族を支えるために自分から学びたい──向き合い始めたきっかけ
自分の考え方に向き合い始めたきっかけは何ですか?
きっかけは、子どものことでした。子どもを支える方法について知る中で、考え方や行動に目を向ける取り組みの話を聞いて、どんなものなのか興味を持っていたんです。
妻も子どものことで気を張り、ほかのことまで目を向ける余裕がない時がありました。夫婦で子どもを支える時に役立てられたらと思って、まずは私が学んでみようと考えました。
最初は、自分の思い込みに気づけましたか?
なかなか気づけませんでした。それまでは当然だと思っていた考えなので、そもそも疑問を持てなかったんです。
ほかの方のワークや、いただいた助言を読む中で、「これは自分の思い込みかもしれない」と少しずつ気づくようになりました。一人では気づきにくかったと思います。
「ミスは恥ずかしい」という思い込みに気づいた
印象に残っている出来事を教えてください。
送らなければいけない書類を、一生懸命、前日に用意したことがありました。でも、一つ不備があって、翌日に自分で届けに行くことになったんです。半日かかってしまって、すごくイライラしていました。
その出来事を振り返ってみると、自分の中に「完璧に仕事ができている自分」という理想があって、そこから外れたことを恥ずかしいと思っていると気づきました。
でも、起きたのは、書類にミスがあったということなんですよね。そこに「恥ずかしい」という気持ちを結びつけていたのは、自分の捉え方だったんです。
その気づきは、その後にどう生きていますか?
ミスをした時に、「こうありたい」と思っていた自分と、実際にできたことの違いが見えるようになりました。そうすると、落ち込むだけでなく、次はどうすればいいかと考えられるんです。
今も、ミスをして恥ずかしいと思う時はあります。でも、その時のことを思い出して、「次はどうしようか」と考えられるので、気持ちを切り替えやすくなりました。
ミスをしたことばかり考えて悩む時間は、減ったと思います。
社員と話し合い、家族との時間も優先できるようになった
社員の方への頼み方は、どう変わりましたか?
断られる場面を想像しているのは、自分の先読みなんだと気づいて、「言ってみないと分からないよな」と思うようになりました。
今は、まず用件をそのまま伝えてみます。もし抵抗があれば、その時に伝え方を考え直せばいいと思えるようになったんです。
実際には、想像していたよりもすんなり引き受けてもらえることが多かったです。頼み方をあれこれ考えていた頃より、仕事の話をしやすくなりました。
社員の方と話し合う時にも、変化はありましたか?
報告や連絡がうまくいかず、お客様への対応に食い違いが生じたことがありました。以前の自分なら、感情も一緒になって、強い言い方をしていたと思います。
その時は、まず何が起きたかを確認して、「次に同じことが起きないようにするには、どうしましょうか?」と話しました。最初は納得していない様子でしたが、話していくうちに、最後は納得して帰ってくれたと感じました。
社員の意見をアンケートで聞いてみたこともあります。私は、社員はなるべく短い時間で高い給料をもらいたいものだと思い込んでいたんですが、想像していた以上に会社のことを考えてくれていました。「こうしたら会社が良くなるんじゃないか」という意見も出してくれたんです。
自分の考えを伝えると、社員からも意見が返ってくる。以前より、お互いの考えを話せるようになったと思います。
家族との時間は、どのように取れるようになりましたか?
地域の経済団体で責任者をしていたのですが、その役を終えた後は、家族との時間を取ろうと決めていました。
そこへ、別の団体から役員をやってほしいという話が来たんです。以前なら、断りきれず引き受けていたと思います。でも、その時は自分の決めたことを優先して、丁寧にお断りできました。
今、家族との時間を持てているのは、良かったと思います。
社員と向き合う経営者、家族を支えられる自分へ
これから、どんな経営者でありたいですか?
社員ときちんと向き合って、自分の考えをはっきり伝えられる経営者になりたいです。お客様の役にも立てるようになっていきたいですね。
家庭では、妻が安心して日々を過ごせるように支えたいですし、子どもの成長も見守っていきたいと思っています。
お子さんとの関わりについては、今どう感じていますか?
子どもとのやり取りにどんな変化があったかは、正直、まだよく分かりません。
ただ、子どもに接する時に、実際に起きたことと、自分の気持ちや受け止め方を分けて考える助けにはなっていると思います。自分の感情だけで判断せず、子どもの成長を支えられるようになりたいです。
相手の反応を考えすぎて、動けなくなる人へ
同じように悩む方へ、伝えたいことはありますか?
私たちは毎日、小さな判断を重ねていますよね。私にとっては、日々の出来事をどう受け止めて、どう行動するかを見直す取り組みでした。
頭で聞いただけでは分からなかったことも、実際に繰り返してみると、少しずつ分かってきました。筋トレのようなものだと聞いていたんですが、やってみて、その意味が分かった気がします。
小さな判断でも、変わっていけば、その先の選択肢も広がるんじゃないかと思います。迷っていた頃の自分には、「やって良かったよ」と伝えたいですね。
CBTジム®で、相手の反応を決めつける前に伝えてみる
CBTジム®では、とっさに浮かぶ考えや感情を書き出し、思い込みや決めつけに気づくワークを通じて、日常の行動選択を見直していきます。
断られる場面を想像して頼めなくなる方も、自分の予想と実際の反応を分け、まず用件を伝えてから相手と相談する選択を考えてみませんか。
