不満を言えず、一人で仕事を抱え込んでいた頃
仕事では、どんなことで苛立っていたのでしょうか?
何かを始める前には連絡をする、最初に相談する。私にとっては、それが当たり前でした。でも、相手は「急いでいたから」「やってくれると思ったから」という感じで、先に進めてしまうことがあったんです。
そうすると、「え、なんで?」「どうしてみんなそうなの?」と苛立っていました。ただ、怒ってばかりいるのも嫌だったので、不満があっても言わずにいたんです。
忙しい時も、周りには頼れなかったのですか?
今振り返ると、自分からお願いすることはあまりありませんでした。「手伝おうか?」と言ってもらえれば頼めるんですが、自分からは「みんなも忙しいだろう」と思ってしまっていたんです。
一人で残って仕事をしていると、「なんで自分ばかり残業しているんだろう?」と思うこともありました。残っていると、さらに仕事を頼まれることもありましたね。
会議でも、思ったことをはっきり言葉にするのが難しかったです。言いたいことを考えているうちに話題が進んで、会議も終わってしまうことがよくありました。
「自分で人生を動かす」に興味を持った──向き合い始めたきっかけ
自分を変えたいという思いは、以前からあったのでしょうか?
ありました。いつも余裕がなくて、何かしら心配事や悩みを抱えているなと思っていました。楽しいことがあっても、心のどこかには心配事が残っていたんです。
本屋さんが好きで、考え方や人との関わり方についての本も読んでいました。でも、読んだ時は「なるほど」と思うのに、日々の生活では実践できていませんでした。本ばかりたまっていく感じでしたね。
何が、自分の考え方に向き合うきっかけになりましたか?
会社で利用していたオンライン講座で、サトマイさんの講義を見つけました。考え方のクセについての話を聞いて、興味を持ったんです。
その後の勉強会で、「人生のパイロット」という言葉が気になりました。自分の人生は自分のものだと思っていたけれど、自分で操縦するということは、それまで考えたことがありませんでした。
「自分で自分の人生を動かすって、どういうことなんだろう?」と、もっと知りたくなったのが、取り組み始めるきっかけでした。
「相手にも事情がある」と思えた小さな変化
書いてみて、どんなことに気づきましたか?
それまでは、自分の気持ちを言葉にして書くことはありませんでした。書いてみると、少し離れたところから自分を見て、「本当にそうなの?」と問いかけられるようになったんです。
怒っている時は、「本当に腹が立つ」と思います。でも、「相手はどう思っていたのかな?」と考え直すと、相手にも事情があるよねと思えるようになりました。
仕事から帰ってワークをして、「こう言えば良かったんだな」「今度はこう伝えよう」と考えることもありました。同じようなことがまた起きた時に、少しずつ伝えてみたんです。
うまく整理できない時は、どうしていましたか?
一つの出来事でいろいろな感情が出てくると、それらをまとめて書いていました。それぞれの感情につながった考えまで一度に整理しようとして、かえって分からなくなったことがあったんです。
その時に、助言をくれた方から、まず感情を一つ選び、その感情が出た時に何を考えていたのかを振り返るよう教えてもらいました。
同じ出来事でも、いくつもの感情をまとめて扱わず、一つずつ分けて書くと、自分の気持ちや考えを整理しやすくなったんです。
最初はイラッとしたことばかり書いていましたが、だんだん「自分はこうすれば良かったな」と、自分の行動も振り返るようになりました。もちろん、またイライラすることもありました。いつも落ち着いて考えられたわけではありません。
会議で意見を伝え、同僚と助け合えるようになった
実際に思いを伝えてみると、相手の反応はどうでしたか?
事前の相談がないまま仕事が進んでしまうことに不満があったので、まず相談してほしいと相手に伝えてみました。それまで私が伝えていなかったので、相手は「ああ、そうだったんだ」という反応でした。
相手は、急いで仕事を進めた方がいいと思っていたそうです。その事情を聞いたうえで、私からも、仕事を進める前に相談するという順番を大切にしたいと伝えました。怒りをぶつけずに、お互いの考えを確かめながら話し合えたことで、気持ちもすっきりしました。
すぐにできたわけではありません。家で書いて振り返ることを重ねて、少しずつ、その場でも「こう言えば伝わるかな?」と考えて話せるようになりました。
会議では、どんな変化がありましたか?
取り組み始めて1か月目の後半くらいから、会議で考えを言葉にできるようになりました。以前は考えているうちに話題が終わっていたんですが、「こう思うんですけど」と、その場で意見を伝えられるようになったんです。
一人で抱えていた仕事は、周りに頼めるようになりましたか?
はい。「一人でやっていてツラいなら、同じチームの人に相談してもいいんじゃないか?」と思えるようになりました。
「もし手が空いていたら、これをお願いできませんか?」と聞いたら、思ったよりも軽く「いいですよ」と返ってきたんです。「言ってくれればいいのに」と言われたこともあって、少し驚きました。
助けてもらうと、ありがたいなと思います。自分の手が空いた時には「手伝いましょうか?」と言えるようにもなって、関係が良くなった気がしています。
慌てずに考え、自分で選ぶ人生へ
これから、どんなふうになっていきたいですか?
何かあると、すぐに「どうしよう」と動揺してしまうことは、まだあります。
そんな時に、まず落ち着いて、「こういうこともできる」「ああいうこともできる」と考えられるようになりたいです。その中から自分で選んで、人生を送っていきたいですね。
「人生のパイロット」という言葉も、今は、自分で自分の人生を生きること、自分と仲良くなることなんだと思っています。
いつも余裕がなく、一人で抱えている人へ
同じように悩む方に、伝えたいことはありますか?
私にとって大きかったのは、悩んでいるのは自分だけじゃないと分かったことです。
ほかの方が書いたものを見て、「分かる、分かる」と思ったり、自分の投稿に「そうだよね」と言ってもらえたりしました。共感してもらえると、すごく嬉しいんです。
みんな大変なんだな、自分だけじゃないんだなと思うと、もう少し頑張れそうな気持ちになります。考え方を見直すことだけでなく、そういう仲間がいると知れたことも、私には良かったです。
CBTジム®で、一人で抱える前に自分の思いを言葉にする
CBTジム®では、とっさに浮かぶ考えや感情を書き出し、思い込みや決めつけに気づくワークを通じて、日常の行動選択を見直していきます。
周りも忙しいからと仕事や不満を抱えてしまう方も、自分が困っていることや伝えたいことを整理し、同僚に相談する、手を借りるといった選択を考えてみませんか。
